「ダイエットに成功したら、太りにくい体質を手に入れよう!」って良く聞くフレーズですよね。太りにくい体質っていうと、筋肉量を増やして基礎代謝をアップさせようという話になりますが、何だか雲を掴むような話でよくわかりません。
今日も職場の先輩Aさんを捕まえて質問してみました。
というわけで、今日は
基礎代謝における筋肉の占める割合はどれくらい?
というテーマを取り上げてみましょう。筋トレさえしていれば本当に太りにくい体質を手に入れることができるのでしょうか?
筋肉の基礎代謝の割合はたった20%しかない!?
まずは基本ですが、基礎代謝とは何のことでしょうか?Wikipediaにはこう書かれていました。
基礎代謝とは生命活動を維持するために生体で自動的に(生理的に)行われている活動で必要なエネルギーのこと。
つまり、寝てても消費されるエネルギーということです。つまり、基礎代謝で消費されるエネルギー以上にエネルギーを摂取しなければ太ることはないということになります。
では、基礎代謝というのはどのくらいなのでしょうか?
成人男性の場合で考えると、基礎代謝の平均が約1500kcalと言われています。そして、この1500kcalというのは一般的な人の活動における全消費カロリーの約60%程度を占めていると言われています。更に、基礎代謝の内訳はどのようになっているでしょうか?詳しく解説している動画がありましたのでご覧ください。
まとめるとこんな感じですね。
- 筋肉:20%
- 肝臓:27%
- 脳:19%
- 腎臓:10%
- 心臓:7%
- その他:17%
つまり、上記の割合から筋肉が1日に消費するエネルギーを計算してみるとこうなります。
基礎代謝が約1500kcalと仮定した場合、
- 1500÷60×100=2500kcal
- 1500×0.2=300kcal
ということですね。1日の全消費エネルギー2500kcalに対して、筋肉が基礎代謝で消費するのが300kcal。たった300kcalなんですね。ちょっとびっくり。
割合で考えると、60%×20%ということで、全体の12%を筋肉の基礎代謝として消費しているということになります。思っていたよりも少ないですね。
ここまで、日本人男性の平均で計算していますが、ちょっとした疑問が残りますよね。
ちょっと計算してみましょう。
筋肉量と基礎代謝量の関係を計算してみよう!
日本人男性のほぼ平均で計算してみましょう。体重65kg、身長170cmと想定してBMIを計算すると、
- BMI=65÷1.70×1.70=22.4
BMIが22.4の場合の筋肉量の目安が22.0kgというデータがありますので、22.0kgで計算してみましょう。筋肉量が22kgとすると、22kgの筋肉が基礎代謝として300kcalを消費するということになります。
つまり、その割合から計算すると、筋肉1kgに対して13.6kcalを消費するということになります。専門的な書籍には筋肉1kgあたり約13kcal消費すると書かれていましたので、ほぼ正解でしょう。(めんどうなので以下13kcalで計算します。)
ということは、一生懸命に筋トレをして、筋肉量を増やすことに成功したとしても1日の基礎代謝は
- 1kg増量:1500kcal→1513kcal
- 2kg増量:1500kcal→1526kcal
ということになり・・・
という結果になりました。
まとめ
今日は基礎代謝と筋肉の割合の計算から実際に筋肉が消費するエネルギーを計算してみました。もう一度記事を振り返ってみましょう。
日本人の成人男性の場合、生活する上で1日に約2500kcalのエネルギーを消費しています。そして、基礎代謝で消費するのが約60%、つまり1500kcalです。更に、1500kcalの基礎代謝の内、約20%が筋肉で消費されるエネルギーとなります。割合から計算すると、約300kcal。
ちなみに、ジョギングに置き換えてみると、65kgの体重の人が300kcal消費しようと思ったら4km~5kmのジョギングをしなければなりませんので、そこそこの消費量ではないでしょうか。
しかし、筋トレを頑張ってもそんなに筋肉量って増えるわけじゃないですよね。実は、筋肉1kgあたりの基礎代謝量は13kcalしかないので、筋肉が1kg増えても基礎代謝は13kcalしか増えないという計算になります。
割合で言うと、2500kcalの約0.5%。筋肉量が2kg増えてようやく1%増量というところですね。
結論として、筋肉が増えると基礎代謝量が増えるというのは嘘ではありません。しかし、筋肉を増やすことで基礎代謝量が増え、その結果として太りにくい体質になるという表現にはちょっと疑問を抱かなくてはなりません。
その辺りについては、別記事に書いてみたいと思います。